南国の魔女か人魚か轟きか
るるりら


山と山のそのむこうの谷をも なだらかに結んでいるのは、
空の高さと広さに あかるい ふしまわし 
 
カッコー  ( の声がするたびに わたしのこころに 閉じカッコをつけてみる
カッコー )
 カッコー )
  カッコー )



見上げれば 空
眼下には 山と谷の なだらかな稜線


みんなみんな  山の向こうに
ひとつ残らず つれて行っていきますよ


山に入りきると 蝉に かき消されるカッコウの声
谷におりきけば 人に かき消されるカッコウの声
闇が近づけば  夜に かき消されるカッコウの声


稜線
かすかに
蜜の匂いがしてね
カッコーが わたしの心に托卵したの
だから私は  少女として羽化するわ

少女のぬけがらは 青いのよ
青い空を みると 心は青くなる ひらひら風も青く舞う
ひらひら舞うから 時空をこえる

わたしの姿は もはや南国の魔女か人魚か轟きか







初出はあなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)ですが、修正を加えました。
http://anapai.com/CGI/cbbs/cbbs.cgi?H=T&W=T&no=0
タイトルは fujisuzukoさんです。


自由詩 南国の魔女か人魚か轟きか Copyright るるりら 2013-11-11 09:28:10
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るるりらの 即興ゴルゴンダ