北国の魔法使いか半魚人の うめき声か
るるりら

人間がやっていることはすべてただの苦しみなのか。
人間は、ほかの生き物に 食べられたり殺されたりすることが
あまり無いからなのか  ときより悪魔について考える。 
いやいや 
我々だって、食べられたりしているようなものだ。 実際に殺されたりする。 
他の人間によって あの戦争をみれば解ることだ。
自分たちこそ ほかの生き物ではなく 自分たちこそ
苦しみの中だ。
おもえば、これまでの道のりは 辛いことばかりではなかったか。
旅というには不向きな道ばかりではなかったか。
ぬかるみばかりではなかったか。
しかも なんと長い道だろう。

ぬかるみに嘘ぶく 魔法使い
あぶくのように 生まれる 半魚人
カッコーは 人間の心に卵を産むのではないか?
カッコーのように わたしたちの心に卵を産み 
わたしたちの本当の心は
締め出しをくらうのではないか?
予測の果てに 行われた正義のための殺戮


托卵をするカッコーなどの鳥と
托卵される側の鳥も もともとは爬虫類から進化したものだ。
爬虫類だったから 体温調節が下手なままの種類の鳥も いる。
卵を あたためることも 苦手なので 
温める能力を進化の過程で獲得した鳥の巣に 卵を産んで
育ててもらう生き方を選んだ。それが托卵という習性だとしたら?
それを うなづけるかのように 
カッコーのように托卵をする鳥はみな 夏鳥
寒くなると 温かい土地をさがして 飛び立つ。



托卵されてしまう側は 負けたのか?
托卵するカッコーは 勝者なのか?
人間と鳥が違うのは、
人間は、他者と他者をくらべて ネガティブキャンペーンをする
自分たちは 勝っているのか 負けているのか?
ぬかるみに育つ 魔法使い
あぶくのように 生まれる半魚人


鳥は、
ときに 甲高い声で
人に空の高さを示し
囀る


冷たい身体でしか ないのなら
温かい身体を求め
囀る


自由詩 北国の魔法使いか半魚人の うめき声か Copyright るるりら 2013-11-11 09:24:37
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