いきぎれ
そらの珊瑚

いきぎれ
しそうな予感は
いきている
最中には 何度かあるものだ
あかぎれ
とは 苦しさの温度が別物で
薬草を塗っても
それは
しずまらない

いきぎれ
とは もしかしたら
生きたい
苦しくても
生きていたい
でも むりはあかんよ
そんな
言葉を思い出させるために
用意された
赤色に点滅する優しさかもしれない

真夜中に
ウイーンウイーンと
うなる
いきぎれ
してんか
冷蔵庫もさ
いささか
つめこみすぎたんだろう
製氷皿に
そんな泡を閉じ込めた
冷たい結晶を産み落とす

いきぎれ
しそうな時は
カプセルの蓋を開け
そのなかで
体を折り曲げるようにして
眠る
たちまち そこは
自分の吐いた温かな息に
白く満たされ
ただひとつの息さえ
もらさずまいと
静かに
循環せるふこんとろーるを始める






自由詩 いきぎれ Copyright そらの珊瑚 2013-11-06 09:15:00
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