木枯らしに舞う枯れ葉よりも
草野春心



  木枯らしに舞う枯れ葉よりも
  宇宙はその日 小さなものだった
  果物の冷めた肌のような けさの通り
  横断歩道を渡っていく 面皰にきび顔の学生は
  なぜ朝がきて夜がきて……やがてまた朝がくるのかしらない
  鳥たちがどこで眠っているのか
  じぶんがどこからやってきたのか
  わたしもしらない
  心が夢を形づくるのか
  それとも夢が心を生みだしたのか
  雲に隠された空は いつも青いのか
  わたしの手を振り払って去った
  あなたが ほんとうに 云いたかったことも
  わたしはしらない
  木枯らしに舞う枯れ葉よりも
  愛は
  その日
  小さなものだったから




自由詩 木枯らしに舞う枯れ葉よりも Copyright 草野春心 2013-10-30 20:44:50
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