おとうと、怒る
月山一天


8つのおとうとは
私が夕飯時になっても
食卓に来ないので怒っている

8つのおとうとは
私を呼んでも返事もしないと
私の部屋のドアを蹴り
「何か悲しい物でも、隠しているのか」
と問う

それでも
よく彼は私の部屋にいる
その度に母に叱られるのも知っている

8つのおとうとは
今日も夕飯が出来たとドアを蹴る
そして
おまえなんかしらないと
泣く

まだ彼は
私が死んだ事を

怒っているのだ




自由詩 おとうと、怒る Copyright 月山一天 2005-01-09 13:20:36
notebook Home 戻る