ひとり
もっぷ
冬の手前に立ちきのうをみる
一本の樹の梢に雀が居るばかり
彼らだけにわかる言葉で
話をしていて
ほかに息吹きの声はなく
かといってコンクリートなどもなく
荒野というわけでもないここは
ほんの一瞬でそれは消え
町の、町らしい喧騒が戻った
日常わたしが選り好みして勝手に
腹を立てたりしている風景
もう一度冬の手前に立って
きのうをみようとするが
そんなものはなかったどこにも
垣間みたあれは
開いていない窓のどこかから風が訪れ
カレンダーを揺らす
と
きょう以外の数字がぱらぱらと床に
こぼれていつかみえなくなった
この部屋には
ここには
、