鶴のおんがえし
月乃助


抱きとめるのは、 
 こんなにも
 どんなにも
 悲しいこと


行き惑う身は、心のつばさも
 なんの役にもたたないと、
 きみはひとり
 街の明かりに唾をする


ドードーのように つばさが
 飛ぶためになど ありはしないと
 心にきざみながら


大量消費される快楽に
 悲しみさえも、大量生産される
 巨きな街にすがる 
 少女 は、


いつも血まみれで
 自分を大切にするすべを おしやる


指をふれれば、


腕のなかの つめたい体に、
 涙が、(まっすぐに落ちる)自然の法則らしきものを証明するのを
 僕は、手のひらにうけとめ、


「「 まわりを気にしては、利口ものの顔で
   あたしは、あとどれくらい
   この 生ぬるい 長い 平坦な道を
   歩まなければいけないの


すさんだ街の風に、ゆかりらしものに気づかされた


きみは、うつしみ 夜は物語の
 戸をたたき、


「「 …・道にまよう娘でございます。
     終電ならなおさら すでにいってしまいました。
     どうか一夜なりとも、雨露をしのばせていただければ……・



みつめる 赤いまなざしに



 「「 あたしは、あたしの羽をむしっても、
    あなたに、、
    礼を するからね。












自由詩 鶴のおんがえし Copyright 月乃助 2013-10-20 16:47:25
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