さびしみ
こしごえ






せかいはゆったりしている

小径にすぅと鬼やんまがきえるときも
ほの暗いひんやりとした木かげが
風に戦ぐ
秋の空高く深まる

せかいはゆったりしている

座椅子にふんわりとすわる
自室の窓からほんのりと光が
静止している夕方
そっとこのまま目をとじる
わたしは今日死ぬかも知れない
おだやかな呼吸
明日の予感がふとよぎる

せかいはゆったりしている

忘れがたい思い出は
いまはない星の光
そしてまたわたしの
思い出が光り始める















自由詩 さびしみ Copyright こしごえ 2013-10-15 22:03:38
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