静寂
祥希いつみ



茜色の夕景に
深く肩を落として

聞こえない音に
耳を澄ます


流れ着いた場所で
振り返ってみても

瞼の裏側に帰ることは
できないけれど


夕刻の光の
あまねく流れゆくものの
やさしい振動数に
こころが揺れるとき

すこしだけ

眼差しが
柔らかくなる









自由詩 静寂 Copyright 祥希いつみ 2013-09-27 00:05:24
notebook Home 戻る