ウルトラ
阿ト理恵

  に売る寅年生まれのわたしアトリエ
まぶたにキスしたらあなた流れてゆきそうで
へばりついたことばの触覚しぼみ
たましいのサイズは変わらないのに
重さの変動はげしく
じたばたあたふたなりふりかまわず奇跡など

くってください
あいのいどころがわるいの

調
狂ミスしたので
めのまわりにスミぬられて

この
みがかわったせい

じれったく

ぬけぬけぬい

てぬかれて

シガラミのぬけガラはシミだらけ

スカすんじゃないカスめ
あまりのまぬけはありになり
まさかのまぬけはさかになり

あなたのがまん太ればわたしの苦痛痩せてゆくなんてこったいくつ精度ノイズになりやすいゆうべを知っている傘を日陰に干して果物屋で紙買って肉屋でペン買って直線をひくまっぴらどきどきその先につながる露出気滞ざわめく不良な月は犯すことしか考えておらず雨降る空気に湿るあなたのあたまなでなでしてから殴ったら超スキは木っ端微塵、

すなわち女のあなたと詩の素材なわたしは愛しあうわけにはいかないのでしょう。






*和合亮一氏同人誌「ウルトラ」掲載作品


自由詩 ウルトラ Copyright 阿ト理恵 2013-09-19 14:16:04
notebook Home 戻る