ふるえ声
石川和広

育った道を
バスが交差して
くねりながら
震えるのに
指で

ケータイいじりながら言葉を差し込む
自分の未然形


スガシカオな戦慄で
歩く

悔い改めることが雨と流れて吹きだまるが

スガにはかなわない
今日30とひとつ足した歳に
なっていた日

終身形

あるく
頬がほてる

何を焦るのと問う
溶ける夜空


雨粒も、じきに
乾く
気のキイタ空気は
車道を
かすっていく


自由詩 ふるえ声 Copyright 石川和広 2005-01-06 17:36:16
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