トワイライトイリュージョン
未有花

摩天楼があけに染まる時
黄昏の時間も止まる
ざわめく雑踏もどこか遠くの
出来事のように消えて行く
ビルの窓から見た街も幻
トワイライトイリュージョン
歪んだ時間の狭間の中で
誰もがひとときの夢を見る

交差点で影が揺れる時
黄昏の夢も終わる
愚かな蝶のようにどこか虚しい
日が暮れても続く胸騒ぎ
蒼い闇に沈む街も幻
トワイライトイリュージョン
さまよう時間の隙間から見た
誰もが何かに怯えている

水銀灯の灯りが点る時
黄昏の魔法は消える
来るべき夜さえもどこか違う
ハイウェイに映る月の影
胸騒ぎばかりの街も宵闇
トワイライトイリュージョン
行きかう人の群れも途切れて
夜がひそやかに忍び込む


自由詩 トワイライトイリュージョン Copyright 未有花 2013-09-03 08:48:22
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夕暮れ詩集