浮くと思っていた
るるりら

み●●●
●ず●●
●●か●
●●●ら

    うまれた
    るふらん
    みずから
    浮上する

         レ●●●             
         ●の音の
         ●●倍音
         ●●●音   

             


その人は すっくと湖上に立って
尋ねた

「あなたが落としたのは 金の言葉ですか?」


ちようど そのとき 夕日が落ちようとしていて空は 金の恍惚だった
けれど その様子は太陽が落ちるからで 
太陽は わたしの落しものではないので
黙った

「あなたが落としたものは 銀の言葉ですか?」

ちようど そのとき 銀の指輪をなくして、放心状態だった
けれど 銀の指輪は 指輪であって言葉ではないので
湖の上に浮いている人に 言うべきことなのかと
おもわず 黙った

「あなたが 落としたものは フツウの言葉ですか?」 

ふつうとは どういうことだろう
まてよ なんで この人は 湖の上に浮いているのだ
しかし なんで いままで気がつかなかったんだ
人が湖の上に浮いているということは フツウのことなのか?
いまのいままで 浮いてあたりまえだと 思っていたのは 
一体 どういうことだ 
そして    
黙った



いつのまにか あたりは どっぷりと日が暮れて
真っ暗になり もはや だれの姿もみえなくなった
しっかり大地に立っていると 思っていたのに
わたしの体は しだいに 音も立てずに沈んでゆく


他人だと おもっていた 湖上の人は わたし自身のことだった
From water
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題名は  星子アヤノさんです。

初出「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)に
投稿させていただいたものに 一部訂正および追加を 行いました。

http://anapai.com/CGI/cbbs/cbbs.cgi?H=T&W=T&no=0


自由詩 浮くと思っていた Copyright るるりら 2013-08-24 10:59:13
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