【リンダ】
アラガイs


ある背景
それはひとつの主題による架空人物を創りあげること
しかし
君を忘れた
時は既に70年近く過ぎ去ろうとしているのに未だ未解決な題材を前にして
【拝啓日本人の皆様へ】いまになって詩を書こうとしているわたしには焦点など定まる筈がない
硬かった意識の基盤は60年代から70年代と軟弱に回転を速めて来たのです 。
何処にも宛先の無い私の居場所をまだ覚えておられるでしょうか
大陸を飛び越えてわたしたちは今も眠り続ける
天幕と発展する高層ビル群の地下深く
日焼けした背中のコバルトブルーに薄い浅瀬
足跡もない獣道に続くジャングルの森の中で土と戯れているのです 。
【夢を見つつ貴方様へ】沖縄から奇怪な鳥がけたたましくやって来たのもあの時代
青く透けたガラス玉の中を怨めしそうに覗き込んでいます 。
今でも忘れられないのは当事者だけでしょうか
「ロックと民族学」「サーフィンに菊の花」 「ミサイルを花火に アイシャドーは入れ墨で赤い口唇が鬱だから欲望も睡眠薬も常用 」
何故か自殺者が多くて、真に困っているのは誰かと尋ねたい旨
空ですか、海ですか、泡は、こころの垢ですか?
季節のない夢
「リンダ」君を知らない
主題もないこんな時代を描いて
それでも
架空人物を創りあげて生きていくのです 。












自由詩 【リンダ】 Copyright アラガイs 2013-08-20 07:04:53
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