白紙を
ふく


白い雪をあなたに投げることもできないので
白い便箋白い封筒白紙の手紙を送る事にした

青い影が落ちる白雪は今日も惜しげなく降り
茶が見えていた土を枯れ色の木々を白に塗り
まだこれから長い白冬を象徴するかのようで
こんなことは伝えなくてもきっと貴方の窓に
白の家々が軒並み連なっているでしょうから
なのでこれ以上冬の白さを書かなくてもいい
お互いに冬の白さ青さ灰さを知っているから

白い雪をあなたに投げることもできないので
白い便箋白い封筒白紙の手紙を送る事にした

馬鹿げているけれどなにかを共有したかった
長く寒い白というありふれた小さな雪色でも


自由詩 白紙を Copyright ふく 2005-01-05 11:29:09
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