半かけ
石田とわ

  

   熟れすぎたトマトが割けて溢れだすざぶんざぶんと満ちていく海
  


   まっかですアスファルト脇ほむら立ち鶏冠にも似た真夏の怒り

             

   水槽の沸騰点は超えました茹だって脱いで骨ぬきになる

              

   人ごみの足元だけをみつめて帰るそこにあなたがいやしないかと

              

   半かけの昼の月ですあのひとは そこにあるだけそれがしあわせ






          


短歌 半かけ Copyright 石田とわ 2013-08-11 23:41:16
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