もらい泣き
アマメ庵

どうして下らない男ばかり好きになるんだい
あいつは、君を幸せにしない
君のことを考えてすらない
それは君にもわかっているはずだ

君の話を聞くのは好きだ
しかし、あいつの話となると、聞くに堪えない
君は、自分が思いたい幻想にしがみついているだけ
自分の理想を投影しているに過ぎない
それですら、君は傷ついている

わたしは知っている
自分のことを面白おかしく言う君は、
とても恥ずかしがりで、とても脆い
あけすけに見えて、本当の気持ちを表現できない

わたしは、これ以上君に傷ついて欲しくはない
わたしは、君の涙をぬぐうこともできないし
わたしは、君を抱きしめることもできない

わたしは、ただ君の話に相槌をうつ
君が話したければ、せめて聞くよ
君が笑ってほしそうなら、私は笑い
君が一緒に怒ってほしそうなら、あいつを非難する

君は明るい
眩しいくらいの明るさの下
厳重に隠された涙

さきにもらい泣きしてしまったらごめんよ

あいつとは関わらない方が良い
わたしがいくらそう言っても、聞こえないのだろうけれど


自由詩 もらい泣き Copyright アマメ庵 2013-08-04 09:16:57
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