姥捨て山
小猫峰 護
年老いた母を負って山へ入ったその帰りの道で、
ショーウィンドウに映った、自分の姿を認める。
酷く痩せていて、泥と垢と涙にまみれているが、
母のずっと掴まっていた前頭部の髪の毛だけは、
オールバックみたいに潰れていてかっこいい。
自由詩
姥捨て山
Copyright
小猫峰 護
2013-08-02 15:05:44