淑女のバラ
朝焼彩茜色

ヒールの音が淑女を物語る 敷き詰められた乙女の華
曲線を趣くままに舞い上がる 愛を香るメッセージの木漏れ日

ヒールからエナメルが艶を躍らせ シフォンのベージュのバラの裾は
両腕を広げたリボンのように 誰かと誰か・・貴方を結びたがっている

エナメルの若さを洗礼された瞳がスカウトする 年輪を共に解く
淑女と乙女の生まれ故郷 ベルガモットがキス示す ベージュのバラ

目線を胸元に引き上げ デコルテにフォルテッシモの煌き
ダイヤモンドが独りでに磨きしめる 愛おしさ ベージュのバラ

 ほんのりくちびるの色

ヒールの音が管楽器の空気に溶け込む 触る足元 舞い上がるベージュのバラ

 ほんのりくちびるの色

一歩一歩揺れる度に 結んだリボンは染まってゆく貴方の色に
前へ前へ踏んでゆく度に 祝福を運んで 手招きをなめらかに呼びかける

独りでに一心に輝き示す ダイヤモンド 

 ほんのりベージュのバラ

誰かと誰か・・貴方に引き寄せられる 至福をかこむ 両腕を広げて


吐息 心が叫び 駆けてゆく 乙女の足音 淑女の物語


年輪と至福をかこむ 貴方の両腕で


駆けてゆく どこまでも

 駆けてゆく どこまでも



自由詩 淑女のバラ Copyright 朝焼彩茜色 2013-07-28 20:59:22
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