道の真ん中に小さな靴下が落ちてる
なかうち まゆこ


それからもうずうっと、
憎まなきゃいけないっていう

呪いにかかった。


ほら見てえ、
日曜日で、
空が青い。

こんな日もあったかも。
でもその頃はまだ、少し肌寒かったかな。



小さな靴下が道の真ん中に落ちてる


わかりきってる。

そんなの、
ベビーカーから落ちたんだってこと

ニコニコ笑ってる赤ちゃんが、靴下いじってて
お母さんは旦那さんとの話に夢中で

靴下までは見てなかったの。

だから小さな靴下が道の真ん中に落ちてる


なんて憎たらしい。

道の真ん中に靴下を落とすなんて



わたしだって
わたしだっていつか

道の真ん中に小さな靴下を落としてみたい。


あとで気づいたら

「お前がちゃんと見てないから」

って叱ってくれる人が

あなたでありますように。


自由詩 道の真ん中に小さな靴下が落ちてる Copyright なかうち まゆこ 2013-07-21 00:23:43
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