夕立
春日線香

不穏な色をした空に
待ち焦がれていた雷が鳴ると
大急ぎで台所に立って
山盛りのサラダを用意する
ボウルを抱え
窓の前に陣取り
ぽつぽつと落ちてきた雨に
もっと土砂降りになれ
空が割れるほどの大雨になれ
などとうきうきしている
てるてる坊主は逆さま
いいところで終わった
夢の続きを見るために
夏の間中ずっと
細い首を吊られている


自由詩 夕立 Copyright 春日線香 2013-07-14 16:50:44
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