旅の終わり   _渡らない鳥に
Lucy

どの道も
少し進んだところでたち消える
草原の三叉路
生い茂る草は風の方角に
倒れては起き上がる波

恋慕い
探し求めたものを見失い
(つまり触れ得た事のないものの喪失のあげく)

僕は空高く
ひび割れた雲を横切る鳥だ

帰るべき故郷を探さない
めざすべき異国を
探さない

僕の明日は僕自身である
僕の記憶は
この羽をしたたかに打つ
今日の雨なのだ


自由詩 旅の終わり   _渡らない鳥に Copyright Lucy 2013-07-13 22:37:46
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