マフィン
草野春心



  マフィンはいらないよ
  くたびれた風のように
  もうここを出ていくから



  皺のとれぬシャツのために
  ハーモニカを吹いてくれよ
  冷めたコーヒーをすするように
  とうのむかしに奏で終えてしまった
  もうひとつの音楽のために



  おまえの焼いてくれた
  あのマフィンはもういらないよ
  影のように消えてしまうから
  夢のように戻ってこないから
  お別れを言ってくれよ





自由詩 マフィン Copyright 草野春心 2013-07-13 19:58:53
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