プラスチック哀歌
そらの珊瑚

パチンと弾けとんだ
洗濯バサミ
ひらいて、はさむ
どんなに風の強い日だって
あなたがいいというまで
ただもくもくと
しがみついてきた
のに

繰り返されてきた
しごく簡単な仕組みが
とうとう壊れてしまった

いつのまにか
艶は抜け
色あせて
それは
あっけないほどに
みじめに
かさかさに
もろく
破綻する
日常の横顔
なにものも老化する肉体から
逃れられない

おまえは
太陽のせいだとか
一言も責めることもせず
どうせ使い捨てだからと
ふてくされもせず
熱せられたベランダから
粉々になって
空へ還っていった


自由詩 プラスチック哀歌 Copyright そらの珊瑚 2013-07-11 09:22:46
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