柿ピ
蒼木りん

柿ピを
手のひらにザーッとあけて
口の中に流し込む
人のいろんなものの結晶
一つもこぼれないように
指先をすぼめて

柿の種もピーナツも
ひとつづつままない
そんな余裕はない
後悔したくない
たくさんの小さなしわわせを
今すぐガリガリ噛み締めたい

ピリピリ辛い
人の言葉感情の難さ
甘い郷愁
ひたすら噛み砕いてのみ込む
最後は袋から口に流し込む
こんなこと負けてられるか

柿の種とピーナツほど
わたしと誰かは違う
なのに
ひとつの袋にたくさん一緒に入れられて
わたしはそれを
ぶちあけて

お金があったら
食べもしなかった
もらいものの柿ピはあと二袋
猫も食べない
だけどわたしは食べつくす
終わりから始めるため

手を出せば叩かれ
しまえば出せと言われ
責めても殺せず
黙れば苦しい
さて問う
わたしはどうすれば良いんでしょ?

誰もいない踏み切りが鳴ってる
騒々しくて遠くて寂しい
ほんとうの?声"を遮るものが
なくなるから夜はすき
さて問う
わたしの欲しいものは何でしょ?

間に合うようにいつかは
言わなきゃと思うけど
わたしの骨は
お墓に入れないでね
居るけど?いない"けどいたひと
にしてくれないかな

忘れないで
あなたの希望はいつも叶えてきた
分からないとか
摩り替えじゃ済まない
拘わりはいま
生きている時だけなんだから

なんか
いろいろ悲しい
溢れてくる波にのまれてしまいそう
世の中って
身の程をしらない人が
造っているんだと思う

吐き出す恨み言は
諦めの言い訳
誰か他人に解析してほしい
わたしの?核心"
自分を傷つけるより
怖いことが何か

疲れて生きてると
埃が積るね
身一つで生きていないから
いろいろいろいろめんどうだね
忘れないのは
だいじなものを大切にして活きること

さいわい
まだ身体が動くから
こころは
言霊の薬を飲み込んで生きてる
いつかその薬を
わたしみたいに優しい君にもあげる




自由詩 柿ピ Copyright 蒼木りん 2013-07-09 10:32:33
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