星座
nonya
遠い日々の想い出は
端からゆるやかに欠け落ちて
ときめきや痛みばかりが
消え残る
懐かしい山々の稜線は
暗く沈殿していく記憶の底で
鮮やかな結晶となって
溶け残る
彼方を眺める視線で
薄れいく記憶の光芒を
ひとつずつ思い込みの糸に通したら
心の暗闇に投げ出して
内なる星座にしよう
日毎に味と香りをなくしていく
時間のかたわらで
ときおり自分を裏返して
深呼吸するたびに
内なる星座は
歩んできた道のりを
穏やかに照らしてくれるだろう
内なる星座は
星の見えない街の迷路を
やがて解き明かしてくれるだろう
自由詩
星座
Copyright
nonya
2013-07-06 10:20:21