とろとろ
草野春心



  いたみ。
  それがひとつ、
  水たまりにうかんでる。
  とろとろの月といっしょに



  サンダルをひっかけて
  コーヒーを買いにでたり、
  すこしだけひらいた窓から
  音がこぼれるのを気にしたり、
  してた。
  ふたり



  息とともに
  かなしみ、
  よろこび、
  水たまりにうかんでた。
  とろとろの光といっしょに
  いた。
  ふたり




自由詩 とろとろ Copyright 草野春心 2013-07-06 02:01:17
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