草原の月
梅昆布茶

草原を照らす月を眺めていた グレイハウンドバスはバーモントの月に似合っているし
僕に煙草をおくれよ まだポケットに残ってる筈さ ねえ君

僕たちは広いこの世界を放浪してきた 旅の終わりはいまだに見えないが 日々は容赦なくすぎてゆくさ すべてを思い出にしてしまおう 君との事だって たいした物語でもないしね

お伽話の続きはもう無いのかもしれないな 月にウサギが棲んでいるなんてね
ギターを弾いてくれないか とびきりの曲を聴きたいんだ 多少はずれたってかまわないから

小さな街を出て何に会いにきたんだろうね僕らは 幸せって言うやつかい それとも
人生の意味とか言うやつだろうか なんか違うような気がするがまあいいか

草原を照らす月を眺めていた そこに何を見ていたのだろう ぽっかりと空いた心の穴
彷徨うばかりの自分さえもう飽き飽きしているんだもの 今夜ぐらいはバーモントの月を

眺めていたいんだ 今夜ぐらいはね


自由詩 草原の月 Copyright 梅昆布茶 2013-07-03 00:43:20
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