蛇とつばめ
朧月

蛇が
つばめの子が大変おいしそうだと
どうしても食べたくてたまらないと
細い棒を伝ってやってきました

なにも知らないつばめ親子は
しずかに眠っています

にんげんは驚いて
蛇をつつきました
蛇はにんげんよりも驚いて
風になって消えてゆきました

ああ食べたい
蛇は自分でも
どうしていいかわからず
闇を見つめました
そのふたつの瞳は
人間に抱かれたつばめ親子を
いつまでも射抜いているのでした


自由詩 蛇とつばめ Copyright 朧月 2013-06-28 07:16:03
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