詩たしく失を代現
左屋百色

陽を逆算して踊る心模様
否を受け入れて見えてくる絶景
うねる髪は群れる揺れる速乾詩
忙しい少数派の毛虫
寝てばかりの石を裏返し
叩き割り起こす神社前
鉛雲に負けるビニール傘
雨の一粒一粒に名前をくれてやる
色は水たまり泳ぐ詩人にくれてやる
両手が炎上し吐く散文
整理できない造語ぶらさげ
飛べなくなった平成二十五年六月
過去しかない一瞬の言葉
未来とは一秒後の君の言葉
現代を失くした詩
今、読み上げる



自由詩 詩たしく失を代現 Copyright 左屋百色 2013-06-26 23:29:20
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