拡散と収束  そのイメージは撒き散らされて
間村長

私はアメンボに追突され
母の事が分からなくなった
月からやって来たのか
地球の中で私によって排出されたのかさえ
全知全能の眼球は答えてくれない
ひたすら潤むばかり

コーナーを何度曲がっても
直線が続くようになって仕舞い
曲がるのに倦んで来た
曲がっても曲がってもここは直線ですか

ずっとやって居なかった仕事が蘇って来る
洗濯機のすすぎの水の流れに
聴き惚れて
流れるままに
私はふとその流れを止める

母は復讐する
勝手な咳き込み
ラジオ外国語放送の知っとくに
何が得だと
ミステリー劇場と連動しつつ
母の手が物置小屋の戸を閉める時
自転車は収納される


自由詩 拡散と収束  そのイメージは撒き散らされて Copyright 間村長 2013-06-26 01:40:37
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