小さな幸福論
梅昆布茶
僕の小さな幸福論
TSUTAYAでアランの幸福論を探した もちろんヒルティの幸福論でも良いのだ
幸福な気分になりたかったんだ しばらく味わっていないような気がするんだ
幸福は乾いた日なたの匂いがするのだろうか それとも母の乳房のように懐かしい匂い
僕の幸福論は単純だ 生きてさえいればなんとかなるものだ 幸福になるのは案外たやすい
ギター一本と酒と時間があればそれで事足りる そんな些細なものなんだ
でも心に波風が立っている時は どうもそういう気分にはなれない
僕が遺失してきたものはなんなのだろう それは幸福と関係があったのだろうか
過去は陽炎のように儚いものだ ソシュールの言語学のようにかたちのつかみにくいもの
逃げ水のように あるいは水面の月のように追えば遠く駆け去ってゆくもの
僕の盟友でもあり 遠い縁の薄い親戚 血の繋がらない 地の果てに住む兄妹なのかもしれないが
それでも時々はその名を呼んで見るんだ 君の愛らしい名前に託して
そう幸福って 可憐な素敵な名前なんだね
まるできみのようにね