タバスコペッパーにも朝日は差す
竜門勇気

愛してる
人とはさよならしたけど
愛することとは
さよならできない

金がなくても幸せは
少しだけなら
買えたけど
金がいらないなんて
まだ笑えない

誰かといるのが
辛い時もあるけど
誰もいなくなったら
さみしくてたまらない

悲しくてさみしくて
それでもひとりでいたい
悲しくてさみしい
それは気持ちじゃなくなってた
それは僕自身だ
僕が悲しくてさみしい毒だった

雨粒が街を濡らす頃
ゆっくりと起き上がった
今日の予定は
誰にも会わないこと
休日に誓う
繰り返す最初の儀式

好きになった人がいなくても
金がなくても
一人ぼっちになっても
今朝もタバスコペッパーに日が差す

人間だらけの街に
ゆっくり足をおろした
彼女がいなくても
タバスコは今日も辛い
金がなくても
タバスコは今日も辛い
呪文のように呟く

そら、タバスコペッパーに日が差しているぞ!
歩かなくていいのか?
さあ、タバスコペッパーを太陽が照らしているぞ!
そんなに泣きたきゃこいつを齧ってからにしたらどうだ?


自由詩 タバスコペッパーにも朝日は差す Copyright 竜門勇気 2013-06-21 10:22:46
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