東京都吉狼区
1486 106

路上でトイレットペーパー
何枚も大胆に鼻をかんでいたら
チラシ配りの友人とばったり出くわしたから
全速力で逃げ出したんだ

抱えたトイレットペーパー
潰れたコンビニのゴミ箱に
放り込んで急いで戻ったら
友人はいなくなってた

空はすっかり暗くなって
車通りのない高架下の道路
女神様の像にすいませんて言いながら
よじ登って辺りを見渡してみた

家を建てるなら何処がいいかな
群馬みたいにのどかなとこがいいな
狼なんて漢字の入っている
あの町もなんかいいかな

裏手に深い森蔦のからまったマンション
いつになったら買い手がつくんだろう

偶然立ち寄った喫茶店で
昼間の友人と出くわしたんだ
「お待たせしました」って声掛けたら
これ捨ててこいってゴミ渡された


自由詩 東京都吉狼区 Copyright 1486 106 2013-06-16 09:07:25
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