ああ　地球には自然単位で
僕達を湿気と熱気で攻撃する為の
秘密組織みたいなものがあるのかもしれない
警察は何をやってるんだ

梅雨があんまりひどいと
そんな過激な思想にもなるよ
奴らは世界中の生物から水分を少しずつ奪い取り
その水分からこの星を蒸し焼く大気の電子レンジを作りだし
徐々に僕達を追い詰めていく
それはまさに身から出た露

そして僕達が
十分苦しんでいるのを確かめると
奴らは次に太陽の力を増幅させてくるんだ
街をすれ違う人々の顔から流れ星が落ち
アスファルトの月面にクレーターを作り
テレビを見るよりも確かなニュースになる
本日の最高気温は３５℃です

ああ　いるはずのない敵を作りだしてまで
業火に身を晒し歩き続ける毎日には
汗だけじゃなく　もっと
悲しみから溢れた流れ星まで混じっている気がするよ

人間達が四季の移り変わりを
執拗な攻撃だと感じるのは
この星は本来人間の物ではないからなのかもしれない
だって夏は　夜が来ると
あんなにきれいな羽虫の歌声が聞こえてくるんだから