親しいということ
凍湖(とおこ)

きみの小指から熱い砂糖水が滴り落ちてきて
わたしの両の手で受けたとき
ああ、きみは海から生まれた生き物じゃないのだ、と悟る。
根本的に異質な生き物なのだ。
わたしにとってもきみにとっても。

もしかしたら、きみは
遠い銀河、紫の靄から
綿毛のごとく、気まぐれに
舞い降りてきたのかもしれない。

出会う前から、わかりあえていることなど、幾ばくもなく
きみの血が紫で、わたしの血が赤だとして
手を繋ぎ続ければ、いつかふたりの血が赤紫になるのかもしれず
そのように、根気よく馴染んでいくことが
親(ちか)しいということ。


自由詩 親しいということ Copyright 凍湖(とおこ) 2013-06-14 00:46:49
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