メルヘン
春日線香

夜中に目が覚めて
屋上の鉄がさやさやと鳴り
滴りの下で
首を引っ掛けては結び
あやとりが永遠に
終わらないとしたら
どうする?
人かとも見える群れは腕を
どこまでも伸ばそうとして
川に浸っているのが
ここからはよく見えるよ
判子のように押されている
影を
この世に止めていたい
公園のベンチで魚人に
瞳を見られた


自由詩 メルヘン Copyright 春日線香 2013-06-02 02:38:56
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