のあざみ
るるりら

あざみの花が咲いた
あざやかに 色づいた
笑い草が生い茂る藪の中に 野薊
たおやかな仕草で天につきさす刃の薊
白い卯の花の薫りの路に まごうことなく薊
どこまでも続く道のところどころに 負けない薊
あざけり あざむき ありとあらゆる かなしさに薊
赤紫に体がほてり だれの色にも染まることなく咲いた薊  
川の色の深さにも 空の青さにも交わることなく咲いている薊
自転車をこぐ 桟橋をわたる 鳥の声を聴く 発露する血に汗に薊
汗を流し 昼間の出来事を風呂場で荒い落として 蒸発する記憶に 薊

あざみの花が咲く 


自由詩 のあざみ Copyright るるりら 2013-05-25 23:16:22
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