転勤族のふるさと自慢その2
Dr.Jaco


私は明日、凍てついた(もっと凍てついてる北海道の方すみません)青森から、両親の
居る千葉へ里帰りする。2年ぶりである。さぞかしあったかいだろうと思いきや、横浜
には雪の予報。思えば2年前の正月も東京で降られた。

でも東京の雪は何故か寒い。青森で一番寒いのは雪の降る直前である。降って積もって
しまえばそんなに寒くない。原因は分からんのやけど、妻もそう言うので一応多数決は
成立した。

昨晩も除雪車が我が家の近辺の、非常に入り組んだ路地に入って来た。それはそれは、
スーパーマンだの戦隊ヒーローだの吹っ飛ぶカッコ良さ。「頑張れ頑張れ、もってけも
ってけ」とばかり、心の絶叫が続く。

その時我々庶民は、自分のうちの雪をそっと道路に出しておいて、拝みはしないが「頼
んだよ」と声をかける。翌朝無くなっていれば、神様の仕業なのだと思いたくなる。
サンタクロースが靴下から雪を持って行ってくれるのだ。

30万人以上の都市の中で世界で有数の降雪量を誇る青森市では、実は路地裏に入ると
過酷な雪掻きバトルが繰り広げられている。路地裏は雪を持って行く場所が無いから、
ついつい他人の家の塀に押し付けたり、放置した雪山に風が吹き付けて他人の家に運ん
でいったりする。常にもめている。

もめているが、もめている様は第三者には全く分からないような仕掛けになっている。
非常に面白い。関西人には信じられないくらい、顕在化したもめ事が無い。
車で走っていても、クラクションを殆ど聴かない。鳴らしているのは関西人の私だけ。

今日も妻がデジカメで雪の写真を撮って来た。3日間雪掻きしないと車は雪の中に埋没
し、行方不明になる、という様子を記録したものだ。
私と妻には思い出だ。地元の人は笑いも何も通り越して日常だ。
ふと、私もやはり第三者ではないかと、凡庸な考えで終わった。
仕事納めじゃ仕方ないな。

ではまた。


散文(批評随筆小説等) 転勤族のふるさと自慢その2 Copyright Dr.Jaco 2004-12-29 23:26:05
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