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葉leaf

言葉が沢山散らばっている野原で 僕はその言葉達の背後にある哲学を編もうとした 多種多様な関係の枠組みを総動員して僕は一個の一貫した哲学を読み取ったつもりでいた だがもう一度その野原を眺めるとその哲学もまた同じように散らばっていき 僕はまたその背後にある思想を編みそれはまた散らばり

人生というテクストを波打たせるものとして 今日も音楽は僕の体で屈折を繰り返す 人生というテクストを裁断するものとして 今日も路傍の花達は僕から世界の中心を奪っていく 人生というテクストを修繕するものとして 今日も人々は僕に沢山の声を置いていく だが人生はそもそもテクストであったか

気付いたら本に取り囲まれいていた 自ら進んで本の牢の中に閉じ込められた僕だ 本はとても甘い果肉を持っているが そこに微量の毒を込めることを忘れない 僕は本から逃げられず 狂ったようにその果肉を啜っては毒に冒されていく 本の装丁・活字達 本は拒絶し僕は拒絶を超えることで負けていった

故郷に在るということは 郷愁を呼吸し郷愁を湯水のように浴びることである それぞれの道に隠された記憶を神秘に触れるように辿り返し それぞれの人の過去と自分の過去を縫い合わせることである あの山に登れば 神はどんな木陰にもどんな山陰にも存在する 僕は神に挨拶して山頂で神めく太陽を射る


自由詩 twitter Copyright 葉leaf 2013-05-21 10:13:05
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