ベッドルーム
鵜飼千代子




我が家には
クイーンサイズのベッドと
アッキーの為のロフトベッドがあります

わたしがずっと寝ていた時には
社会人と起きている時間がずれるので
和室に布団を敷いて寝ていました

クイーンサイズのベッドは
子供たちが、お父さんに
お姫様だっこで
連れて行ってもらえるベッドなのです

今日もあっちゅは居間で寝て
お姫様だっこでパパに連れて行ってもらったのですが

わたしの実家に下宿しているアッキーが今日は帰って来ていて
もう、自分のスペースはあっちゅに取られたと思ったのかな?

「あっちゅ、お父さんと寝ちゃったんだけど…」
って言いに来た

「お兄ちゃんに、ベッド空けたんだよ
クマが沢山いるけど
我慢して」
って言った



「お兄ちゃん、ゴールデンウィークに帰って来るよ」
とあっちゅに言ったら、
「あっちゅとお兄ちゃんのえや」
という貼り紙を貼って待っていた

パパはあっちゅの書き間違いが可愛いから
何も言わなかったけれど
わたしは、
『「えや」じゃなくて「へや」だよ。直した方がお兄ちゃん喜ぶよ』
と言いました

「ボールペンで書いちゃったから、直せない」
と言うので
修正テープを渡して



家の人なので、自分の都合で
自分の鍵を使って家に入るのですが
親も妹も仕事や学校で
誰もいない家に
ひとり久しぶりに帰って来たアッキーが見たものは
修正テープで書き直した
「あっちゅとお兄ちゃんのへや」
という貼り紙だったのね


もともと
まだまだあっちゅは親との添い寝で
お兄ちゃんが使っていたベッドや机は、
今の自分の居どころ、所在地(起きている時の遊び場)であったりもするのです
これまで、自分の固有スペースは
ベビーベッドを楽しくリメイクしたものしかなかったから



そりゃ、
自分の居場所ぶんどって
唯一の姫のような顔をしている妹より

歓迎のささやかな垂れ幕を
カラーボックスに貼り付けている妹の方が可愛いし

「大丈夫(任せろ)」という気持ちも
湧かなきゃ残念かもしれないですが(我が家的に)


お兄ちゃんが頑張ったらあっちゅは
「お兄ちゃんになるのは、無理!」ってあっさり降参しそうだけれど
(笑:性格的に大変なことは追わないの:汗)



そんな、
11才年の差のある兄妹の我が家は
お互い大切にしあいながら、
なんとなーく、
前に進んでいるのデス



自由詩 ベッドルーム Copyright 鵜飼千代子 2013-05-01 05:10:00
notebook Home 戻る