Eccentric Person Come Back To Me
伊織

ふっと頭をかすめたのは
神宮前小学校で子供用のブランコに並んで乗ったこととか
砧の遊歩道で散ったばかりの桜をぶわーってぶちまけたこと
  帰らない
  帰らない
  帰らない
右手の角度が少しちがう人


いつも通りに歯を磨いて
今日もまたいつもの通り地下鉄に押し込められ運ばれ
何とか勝手知ったる風に仕事をこなしていくのだけれど
  戻らない
  戻らない
  戻らない
1オクターブとちょっとたかい人


渋谷駅はすっかり変わってしまい
こどもの城はなくなってしまい
そんなことたちもテレビで知るだけで
もう随分と離れてしまった



直らないんだよ?
小首のかしげ方
視線の投げ方
マイクの持ち方

あたしの 片方

ノートで覆ってしまう下くちびる
もう誰も見ちゃいないのに
ぐるぐるぐる廻って
時を飛べないかな

あたしの 真ん中

携帯のメモリも
Skypeの連絡先リストも
消してないから
可視的不可視的電磁的問わず迎えに来てよ
イ・マ・ス・グ

Eccentric Person, Come Back To Me!


自由詩 Eccentric Person Come Back To Me Copyright 伊織 2013-04-30 21:50:23
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