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プテラノドン

違う衣装を纏っていても白い花がよく似合う。
場所がどこであれ、香りが君の輪郭を形作る。
その傍、墓標のようにボトルが並び―
行き来するヒールの群れに
何万回も踏んづけられた吸殻を敷きつめることで
おれの棺はいっぱいになる。

そこでしようが、しなくたっていい
我慢できるのならば。月明かりには見透かされている、
駐車場に秩序が必要のないことくらいは。
夜更けのブロック塀を濡らす
垂れ流しの接続詞が、言葉を根こそぎ枯らして
通り抜け禁止の道の奥で立ちふさがる。

それは口ごもった女のネックレスと同じ。
夜明けとは分かち合えそうもない光を 
一晩中、宿している。おまえはそれを
身代金として要求する。夜のなかで流れる夜の響き
発音不能の 愛を叫ぶことを―
そして花びらは、なまなましく震えあがる。


自由詩 [:chain Copyright プテラノドン 2013-04-22 01:33:11
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