再確認
三田九郎

雨が降っている
傘を持たずに出てみようか

そうして 遠くへ
瞳を閉じる

必需品を持たないということ
あるべきものがないということ

首をもたげて揺れる草
雨粒が重たいんだ

満ち溢れているということ
枯れ果てているということ

気持ちに目盛りなんてついてない
同じことが 琴線に触れる日

凍えすぎて
じんじんしてくる

胸の真ん中に
雨粒が届く 見える気がする

見開いて
両手を口に当て 息を吐く

吐息のぶんだけ
生きている 熱が

見上げた目に
雨粒が飛び込んで

反射神経が
生きている とささやく

何度首をもたげても
またいつか 傘を持たずに


自由詩 再確認 Copyright 三田九郎 2013-04-21 09:19:33
notebook Home 戻る  過去 未来