カラス夜の戯れ
アラガイs


なつかしく思い出せない公衆電話
探し求めていたはずの
伝えたい(夜)…カアカアと、まだ届いていた雑音がひとつ
…らしいにぎやかな夜だ 。
その日彼女からメールが途絶えて
映し出される画面の裏側も気にならなくなった。
閉じたのは始まりを知らない文庫本
こもるナイトメアー
〜眠りを妨げる絵文字症候群〜
若者たちが消えた夜の街は遠慮がちな
ふり返れば寄り道に映る幻影の壁
喧騒と余韻をひきつれて
恋を打ち明けたのも遠い過去の出来事
いまは省略された
指先で装いを伝える天使たち
枕元で偽りを願う悪魔
生き埋めなまま貝殻の耳を塞ぐ
聲に出せば避けられたはずなのに
〜カアカアと、文字が残るだけ虚しい
消えてしまう
ただ口もないほどに静かな夜だ 。











※推敲改訂あり


自由詩 カラス夜の戯れ Copyright アラガイs 2013-04-20 06:36:02
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