花盗人
梅昆布茶
零れ落ちる花弁を無碍に季節の風が運んでゆく
ちょっと絡めただけの指先が愛しくて
君の名前をそっと呼んで見る
僕は花盗人君の唇を奪うろくでなしさ
君にあずけたこころはいつか返しておくれ
爛漫の春を一花ふた花と指おれば
琥珀の時間がせめぎ合い
置き去りにされし花一輪
誰の為にか咲き匂う
から紅の命まで刺されとばかりに歌いましょう
零れんばかりの宵の口
きりりとと結んだ花手毬
自由詩
花盗人
Copyright
梅昆布茶
2013-04-15 23:05:57