朝の近く
唐草フウ


朝の近くで
鳥はそうそう、何ごともなかったように
空の下 奏でている
わやくちゃになった己こころ
沈めたいともがきつつ
ただ座っている
朝が近づく

やっと明ける不安からのかいほう
新しいようなまたみるような日常
ガリガリとあたまのなか
砂消しのカスを熊手であつめたような
不完全さ

右向きになって泣いたら
左からこぼれるなみだが
右の目に入る
少し滑稽で でもどこかハッとして
固く目をつぶりその涙を外へしぼり出す
何をしてるんだろうな

春だとか、そんなこと
大きなことも忘れたい
ちっぽけすぎることで
寝がえりを打ちまくる


朝の近くで
あなたの鼓動が
さざ波の向こうからやってくる
差しのべた手、とともに









自由詩 朝の近く Copyright 唐草フウ 2013-04-08 05:25:38
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