生死とて
田園

朗らかに歌う若者よ
老獪な政治家に林檎をあげて

私は泣き続け
ここまで至り
そして気づいた事といえば
人生とは全く遊びであるという事だった
私の苦しみも誰かの喜び
私の喜びも誰かの苦しみ
そんな薔薇のつるみたいな連鎖で
なりたっているこの世
淘汰されるのはいったい何か

意志ある瞳の若者よ
暗がりにしゃがむ子供に愛を

私は心のアルバムに
いろんな人を撮っておいたけれど
気が付いたことをあげるのなら
皆去っていくという事くらいだった
私の愛は誰かの重み
誰かの愛は私の重み
そんな緩慢な依存のつらなりで
なりたっているこの世


さあ
殺されろ

と言わんばかりの空
ただ青く
死を満たしていた



自由詩 生死とて Copyright 田園 2013-04-05 19:14:15
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