水のありか
草野春心
緑しげる季節に
ぼくたちが出会うとき
そこへと水がながれ
そこへと水がたまり
そこから水がぬけた
だからだろうか
白昼よりたしかで
暗闇よりくるしい
きみの夢をみるとき
持てあましたガムの包み紙が
ポケットのどこかで濡れている
なぜだろうか
ぼくたちが離れても、
水がながれ水がたまり水がぬけて
水がにごり水がすんで水がまわり
かみ殺した精一杯のつよがりが
濡れている
ポケットのどこかで
自由詩
水のありか
Copyright
草野春心
2013-04-04 22:15:49
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