ボクサー
梅昆布茶
中学時代休み時間に
座布団を手に巻いてボクシングの真似事をして遊んでいた
遊びとはいえけっこう幼い意地をかけて遊んでいたが
伊藤くんにはどうやっても勝てなかった
陸上部で細身で動体視力もよし
僕はいつもKOされていたさ
たしかに遊びとはいえ脳震盪で
気が遠くなるのはこれだなって思った
もちろん僕はボクサーではなく進学した
県で二番目ぐらいの県立高校に辛うじて引っかかったが
ろくに勉強もせずバイクと音楽で過ごした
高校時代
煙草や酒もこっそりではあるが
嗜んでいたっけ
でもその頃
サイモン&ガーファンクルのボクサーという曲に会った
そうリングがある以上
戦わなければならない
それが実際のリングであろうと人生であろうとも
だってそれを降りることは
自分を放棄すること
人生のボクサーは
撃たれながらも這い上がってゆくのさ
スポ根ではなく
ちゃんと人生の機微を見極めて
ボクサー
最も美しい戦いのために
生まれて来たボクサー
自由詩
ボクサー
Copyright
梅昆布茶
2013-04-03 00:37:01